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鍵屋になるにはどれくらい時間がかかるのか

鍵屋になるには、まず鍵師としての専門的な知識と技術を持つ必要があります。
鍵師となるために絶対に必要とされている資格はないのですが、知識や技術を保有していることを証明する認定資格があります。日本鍵師協会が認定する、鍵師技能検定試験です。

実は、鍵師というのは、日本鍵師協会の登録商標となっているため、この技能検定で認定された人が鍵師と名乗って仕事を行うことができます。検定試験は18歳以上で前科のない人であれば受験することができます。鍵師のスクールカリキュラムは、1週間から2カ月程度で終了できますが、現場経験が重要となってくるので、鍵屋に就職したり、直接鍵師に弟子入りしたりして経験を積むことが必要といえます。

ですから、鍵師として知識や技術を持つまでならスクールに通えば基礎知識は学ぶことができ、それほど時間はかからないといえます。鍵屋として開業しようと考えるなら、高度な技術が必要です。実際、高度な専門技術を持つ鍵師のアンケートでは、高い技術を保有するまでには1年から5年ぐらいかかると回答している割合が多いです。習得技術は個人差もありますが、独立して開業するまでには時間をかける必要があるといえます。

鍵屋に向いている人・向いていない人

鍵屋は、住居などの大切な空間を悪意ある人間から守るための鍵を扱います。
自分の鍵を他人に預けることには大きな不安があるので、鍵屋は技術云々よりもまず信用第一です。
昔は、小さなお店で顔なじみの人間だけを相手にしていましたが、もう明るいチェーン店に電話1本で頼める時代に突入しました。
そのため、鍵屋の適正としては、迅速にあまり傷つけずに開錠するのみならず、サービス業にふさわしい明るさと、信頼がある人間だと証明できる服装と証明書も提示しなければいけません。
お互いに知らない同士で鍵を開けるので、原則的に現場では依頼人の公的な身分証明書も拝見する必要があります。
鍵屋に向いている人は、どのような相手にも丁寧に接することができ、常に冷静な対応ができる方です。

逆に、ちょっとしたことで感情が出てしまう方は、あまり鍵屋に向いていません。
元々、すでに営業している鍵屋に弟子入りして、師匠の世話をしながら実地で習得していく業界でして、お金を払って済ませられる現在でも、他人に教えてもらうことに抵抗がない方が適正があると言えます。
開錠に使用する道具類は、一般人が所持していると違法になるほどの品であるため、取り扱いには細心の注意を払わなければいけません。

鍵屋の給料はどのくらい

鍵屋で働く鍵師の給料は、正社員やアルバイト、そして独立開業によって大きく違います。
前者の雇用形態に限ると、鍵屋であっても正社員の給料は、他の職業と同じく月給約20万円からスタートします。
アルバイトの場合は、給料に地域の影響が出るものの、鍵師は時給約900円程度得られると考えられます。
つまり技術が必要な鍵師でも、雇われる雇用形態の鍵師であれば、初任給は一般的な企業との差が小さく、現実的な収入が表面化します。
ただ、鍵屋の需要は今後も見込めますし、技術や経験が増えると給料は上がる傾向があるので、必ずしも高額年収の夢が途絶えるわけではありません。
鍵屋の魅力は、鍵師の給料の安定性に加えて、将来的に独立が検討出来る可能性もあります。
独立すると雇用の安定性は薄れますが、代わりに成果が収入に結び付く収入面の魅力が高まるので、将来性は十分にあるといえます。
独立した鍵屋の収入は、固定給や時給ではなく出来高制に変化します。
頑張って売上が上がると、その分が給料になるので、鍵師の高いモチベーションと効率の良い営業が、収入を引き上げる切っ掛けになります。
成功している鍵屋は、年収1千万円に達する場合もありますから、将来性や独立の可能性を考慮すると、努力が高給に繋がる夢があります。

鍵屋に求められる能力

鍵屋というと鍵をなくしてしまったり、壊れて開かなくなってしまった時にピッキングなどをして解錠をするというイメージがありますが、それだけではなく鍵に関するありとあらゆるトラブル全般を解決する仕事です。
そのため、鍵屋にはピッキング以外にも様々な能力が求められます。
まず絶対的に必要なのが、家だけではなく自動車や金庫、スーツケースなど、鍵がついている全ての物に関する知識です。
知識がなければどのようにトラブル解決を行えばいいのかという道筋をたてることができませんので、これは欠かせない能力といえます。
例えば、通常の方法で解錠できないような鍵があった場合、鍵自体を壊す必要がでてきますが、ただ壊すだけでは他の部分に影響が出てしまいます。
そのため、出来るだけ影響なく鍵を壊すにはどこを壊せばいいのかという知識が必要となってくるのです。
また昨今はセキュリティーレベルの向上から特殊な鍵も増えており、それに対応していくためにも日々の知識磨きは欠かせないといえます。
そうした面で言えば、常に学ぶ向上心もある意味で鍵屋に必要な能力といえるのです。
その他、鍵屋はただ鍵と向き合うだけの仕事ではなく依頼者の話を聞くのも仕事ですので、最低限のコミュニケーション能力も求められます。